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21世紀のルネッサンス(魂の再生)
今回の出張では、ミラノ・ドォーモ広場の巨大なクリスマスツリーやパリのシャンゼリーゼ通りのクリスマスイルミネーションを目の当たりにして、いつもと同じ気持ちで見ることが出来なかった。
それはもちろん、ギリシャ危機を発端としたヨーロッパ諸国、さらにアメリカ、日本、そして世界経済にも波及するかもしれないユーロ危機の問題が、頭のどこかに潜んでいたかもしれないからである。
ところが、ミラノでもパリでも、有名百貨店でのクリスマスショッピングに忙しい人たちの中でもまれているうちに、何故か不思議と自分自身の気持ちが高揚してきた。それは、ヨーロッパ独自の歴史の蓄積から湧き出でる、庶民のパワーを直に感じたからかもしれない。
幾多の血なまぐさい闘争を繰り返して築いたローマ帝国やフランス帝政でも、さらに時は流れ、第二次世界大戦においても、したたかに生き抜き、未来を築いてきた人たちは、今回のユーロ危機をどう乗り越えていくのだろうか・・。
私はこのユーロ危機は、ヨーロッパにとって新しい時代への序曲を意味するものであると思っている。それは20世紀の唯物主義から魂の再生へとつながる21世紀のルネッサンスにほかならない。巷では金融及び経済的側面の危機のみ論じられているが、それだけでは片づけられない、新たな枠組みを構築する時代が訪れていると思うからである。
かつては、少数の偉大なリーダーによって世界は動かされてきた。しかし、これからは名もなき人々の総意が世界を動かし、魂の再生につながる新しい民主主義の幕開けを促すと私は見ている。
それはインターネットを介しての運動か、それとも新しい政治・経済の流れか、はたまた、これまで見たこともないような芸術運動かもしれない・・。
したたかに・・、しなやかに・・。
夜明けが訪れない夜はない・・。ヨーロッパは決してめげない・・。これから伸びてゆく新興国のパワーを貪欲に吸収し、昇華して彼らの独自の新しい世界を創り上げてゆくに違いない。
芸術の持つ偉大なる影響力とパワーは時代がどのように変わろうと、常に輝かしい光を放っている。さらに、不遇の時にこそ力強いパワーを生み出す芸術家を、かのヨーロッパは何人も輩出している。地域や国を変えても不死鳥のごとく蘇ってきた芸術家こそ、新しい時代への先導者足りうるはずである。
今回、ミラノの素材工房においても、パリで素材を選択している時でも、彼らとの会話を通して繰り広げられる、時代を超えた革新的な世界は、15世紀のルネッサンスの息吹や歴史を蘇らせるに十分であった。
新しい時代は必ず訪れる、何故ならば破壊と創造を繰り返し、独自の道を模索し歩んできたヨーロッパの歴史がそれを物語っている。
したたかに・・、そしてしなやかに・・それが、彼らの生きるためのキーワードにほかならない。モザイクの敷石のごとく、色々な光を放ちつつすべてを受け入れ、吸収し、それ以上のものを創り出してゆくであろう。
今は、受け入れたものを咀嚼して若い発芽を待つときである。ワインが熟成するがごとく、その間を神にゆだね、ひたすら待つしかないと考える。待つことの大切さをヨーロッパの人々は体で知り、それを味わうすべを身につけている。
かつてのアメリカ文明が謳歌していた頃の大量消費の時代から、少量吟味の時代が訪れる兆しを見せている。高額な作品の奥深い価値を愛でることの大切さと、そこに宿る魂の輝きを理解する人々が増えてくるに違いない。
今までのシステムが新しいシステムにとって代わる転換期こそ、一味も二味も違った人々や芸術作品が生まれてくるであろう。
ブローニュの森の華やぎ
パリ16区の高級住宅地に隣接する広大なブローニュの森。
かつて王侯貴族が狩猟場として好んで訪れた場所が壮大な公園となり、訪れた人々は今でもその美しさに魅了される。
ブローニュの森の敷地内には、ロンシャン競馬場、バガテル・ローズガーデン、レストラン“プレ・カトラン”など、類まれなる世界が存在している。
世界で一番美しいと言われるロンシャン競馬場は、華やいだ衣装で着飾った社交界の紳士・淑女が集う社交の場として知られている。エドゥアール・マネの描いたロンシャン競馬場もつとに有名である。日本馬のディープインパクトが出走した凱旋門賞はこの競馬場で行われている。
ブローニュの森の一画に位置する、バガテル・ローズガーデンは20世紀初頭の天才造園家フォレスティが、モネたちの印象派の画家にインスピレーションを得て設計したと言われる。それは世界で最も権威あるローズガーデンとして、1万本のバラが植えられ、放し飼いの孔雀の羽の色は、かつてのフランスの栄華を彷彿されるがごとく、美しい色模様を放っている。
2012年コージアトリエ春夏コレクションのテーマは「ブローニュの森の華やぎ」とした。
その場で育まれた魂の再生こそ、21世紀のルネッサンスそのものであろう。人間讃歌に基づいた復興は新しい時代への救世主となり、心ある人々に畏敬の念をもたらすであろう。
春夏コレクションは2012年2月9日(木)、コージアトリエ・サロンにて開催される。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
2012年1月5日







